フルカワミキ÷ユザーン+ナカコー×沼澤尚 ライブ@八戸酒造 レポート

Toshinao Ruike
5 min readJul 18, 2018

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地元八戸でスーパーカー時代から数えて20年ぶりに行われたライブ

フルカワミキとナカコー、ほとんど地元でライブをすることがなかったスーパーカーの元メンバーが2018年の今ライブをするという。偶然自分も八戸にいたので、これは行かなければと思い立ち、前日にチケットを取った。思えば東京に住んでいる時も彼等のソロライブなどには行ったことはなかった。

酒蔵の見学会などに参加した後、会場へ。司会の女性が登場して、一通り出演者たちの経歴を(日本語で)紹介した後に「レディーズ・アーンドッ・ジェントルマーン!アーユーレディー?!」という唐突な絶叫でアーティスト達が入場。((なぜそこだけ英語!!))「声が足りない、アーユーレディー?!」再三絶叫された。どう反応したらいいものか戸惑いながら一方的に絶叫される私達オーディエンス。ライブ開始前に漂った怪しい雰囲気。

苦笑いで入場するフルカワミキ(ヴォーカル、ピアノ)、ナカコー(ギター)、ユザーン(タブラ)。「ミキちゃんが、あの司会の人頭おかしいって!」(ゆざーん談)そのとおりだよ。

意外と裏の顔は毒舌なのかもしれないフルカワミキ

ライブはシンプルな構成。フルカワミキが歌って(時々キーボードも)、それをナカコーのギター(とたまにコーラス)とリズム隊(ユザーンのタブラか沼澤尚のドラムセット)が支える。フルカワミキソロ曲や最近のバンドLAMAの曲、そしてスーパーカー時代の曲も2曲ぐらい。

八戸ということで、ご当地ソング八戸小唄のフルカワミキ+ユザーンのバージョンも披露。八戸小唄、ってCMか何かで昔聞いたことがあるような記憶があるので、メロディに多少覚えがある程度だけだったが、サビの旋律の美しさを女声の伸びやかさで聞かせていたと思った。ちょっとイタリアのオペラみたいな聞き映え。

何かと喋りすぎだったユザーン

八戸小唄が収録されたKOUTA LPでフルカワミキと共演したユザーン。登場して一番に「今日はどういうステージなの?」と少し信じがたい言葉を発していた。 出演するイベントのことぐらい会場入り前に調べてください(この日のユザーンは本当に余計なことばっかり喋ってた。)

小さくまとまり、存在感のないタブラ。本当、ユザーンいなくて沼澤尚のドラムだけでよかったと思えた。以前HIFANAと共演してた時はまあこんなものかと思ったけど、タブラがないといけないサウンドでもなかったし、正直4人の中で彼だけミュージシャンとして明らかに華がなかった。逆にいうと、他の3人はどこかしら見どころがあって、ベテランの沼澤尚さんは別格にしても、キャリアがあるということはこういうことかと思わせた。合いの手として、もうちょっと修行してくださいユザーン。

ナカコーは最初は目立たずにひたすら伴奏のギターを弾き続けてたように見えたけれど、どんよりとしたオルタナっぽいコード進行を聞かせたり、歌を聞かせる曲もあったり、メインを立てるだけでなく自分の目立つところを作っていて、ちゃんと押しと引きが感じられた。

この日のハイライトはNHKの教育番組でやっていた「こころね」。女の子にナカコーが提供した曲だけれど、フルカワミキのハマりっぷりがやばかった。アラフォーとかMILFとか呼ばれてもおかしくないお年頃のはずだけど、それでもロリータな雰囲気、とてもかわゆす。

誰かが喋りで繋ぐなり、何か音を出してたらいいのに、ミキちゃんが曲間にMacbookをいじっていて変な間ができていたのはどうかと思ったけれど(ユザーンがたまに愚にもつかないことをつぶやくぐらい)、ライブが終わった時、何となくほっとした。ちゃんと終わってよかったのう。20年もの時を経て今八戸でライブを終えられてよかった、と一人勝手に安堵した。

会場の酒蔵のすぐ外は新井田川なので沢山漁船のボートが停泊していて、なぜか屋形船の中ではデーモン小暮のそっくりさんが何か歌っていた。会場周辺は2018年もそんなギリギリ昭和の場末っぽい感じだった。

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Toshinao Ruike
Toshinao Ruike

Written by Toshinao Ruike

Music and Tech journalist, Music Teacher, based in Barcelona